膵臓
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特集:IPMNの治療方針
分枝型IPMNの治療方針―内科の立場から
有田 好之伊藤 鉄英
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2005 年 20 巻 6 号 p. 501-510

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抄録
膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN) は主膵管型と分枝膵管型に大別され, 悪性化の頻度の違いから治療方針が異なる. 分枝型IPMNの良悪性については, 膵嚢胞径, 壁在結節, 主膵管径, 膵液細胞診をもとに判断し, 手術適応が決定される. 分枝型IPMNの予後に関連する因子としては, IPMN自体の悪性度, 通常型膵癌の合併, 他臓器癌の合併, 残膵IPMNの再発, 糖尿病, 併存する基礎疾患が挙げられる.
国際診療ガイドライン (Tanaka M, et al : Pancreatology 2006 ; 6 : 17-32.) が作成されたことにより, 今後IPMNの治療方針は標準化されてゆくものと思われるが, 高齢者に多い本疾患の治療方針の決定にあたっては, 膵局所の問題だけでなく, 患者の全身状態, 併存する基礎疾患の予後, 膵癌や他臓器癌などの悪性疾患の存在する可能性や膵内外分泌能についても考慮し, 決定されるべきである.
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© 2005 日本膵臓学会
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