抄録
本例は, 手術中に肝転移が判明した進行膵癌症例である. 肝転移巣をマイクロ波で可及的に焼灼した後, 原発巣に20Gyの術中照射を行い, 以後, 新規抗癌剤 (Gemcitabine, Oxaliplatin ; 以下GemOx) を中心とする外来化学療法を施行した. 計10回の投与で (OX総投与量1,000mg), 末梢神経障害の増悪により中止を余儀なくされたが, 重篤な骨髄抑制・肝腎障害・ADLの低下はなく, 外来で継続投与が可能であった. GemOxの効果と副作用を考える上で, 本例が参考になればと願い報告を行った.