膵臓
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症例報告
術中膵分割細胞診にて部位診断を行った膵上皮内癌の1例
藤井 眞田中 康博森本 芳和伊藤 壽記北川 透伏見 博彰
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2006 年 21 巻 2 号 p. 84-88

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抄録
膵上皮内癌の報告例が増加しているが,いまだ散見される程度で多くはincidentalに発見された症例である.術中膵分割細胞診検査に基づき膵切除術を施行し,切除標本の病理組織学的検査にて2カ所に上皮内癌を認め,またglucagonomaの合併を認めた1例を報告する.症例は76歳男.高脂血症にて通院中,CA19-9値の軽度上昇が認められ,内視鏡的逆行性膵管造影検査時の膵液細胞診検査にて膵癌細胞が検出された.術前局在診断は得られず,術中膵分割細胞診検査にて膵頭部癌と診断し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.膵管の拡張は認められなかったものの,組織学的に多くの切片で膵管二次分枝の上皮は乳頭状に増殖し多発性に過形成を認めた.膵切除断端より2cm頭側の膵管二次分枝の2カ所に上皮内癌を認めた.また膵鉤部に径2mmのglucagonomaの合併を認めた.術後6年9カ月の現在再発の徴なく健在である.
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© 2006 日本膵臓学会
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