膵臓
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特集:自己免疫性膵炎 最前線
自己免疫性膵炎臨床診断基準2006の解説―1.US,CT,MRI像―
入江 裕之伊藤 鉄英
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キーワード: 自己免疫性膵炎, US, CT, MRI
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2007 年 22 巻 6 号 p. 629-633

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抄録

「自己免疫性膵炎臨床診断基準2006」のUS, CT, MRI像について解説した.膵腫大の評価がそれらの最も重要な項目であるが,腫大の程度が軽微な場合には他の特徴的な画像所見を理解しておくことが重要となる.US像は"ソーセージ様"と呼ばれる低エコーのびまん性腫大が特徴である.CT像はダイナミックCTでの遅延性増強パターンが特徴であり,ダイナミックCTの基本原理を理解しておく必要がある.病態に応じて多彩な所見を呈する可能性があることも認識すべきである.MRI像はT1強調像での低信号,ダイナミックMRIでの遅延性増強パターンが特徴である.病変周囲を取り囲む被膜様構造は病変辺縁部の強い線維化を反映しており,特異度は高い.MRCPは現段階では主膵管の狭細像の正確な評価には用いられないが,今後の画質の向上が期待される.

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© 2007 日本膵臓学会
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