抄録
症例は急性リンパ性白血病の11歳男児.寛解導入療法中にL-アスパラギナーゼ投与に伴う重症急性膵炎を発症した.膵尾部に約60mmの膵仮性嚢胞が遷延し,有症状であった.自然消退が望めないものは,出血や感染の合併症もあるため,ドレナージが必要と判断した.嚢胞は主膵管と交通を有さないものであったため超音波内視鏡ガイド下に経胃的に穿刺,ドレナージを施行した.約3ヶ月プラスチックステントを留置した.施行後血清アミラーゼ値の正常化,腹部CTにて嚢胞の縮小を認めた.成人同様,小児においても超音波内視鏡下経消化管的嚢胞ドレナージは有効であった.