膵臓
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症例報告
膵管癒合不全を伴った膵Solid Pseudopapillary Tumorの1例
高松 徹上原 健志池谷 敬東海 浩一池田 正俊牛丸 信也浅野 岳春松本 吏弘岩城 孝明福西 昌徳鷺原 規喜浅部 伸一宮谷 博幸吉田 行雄野田 弘志土橋 洋
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2010 年 25 巻 5 号 p. 578-584

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抄録

症例は30歳女性で,心窩部痛,嘔気を主訴に近医を受診し,膵腫瘍の診断で当院へ精査目的に紹介となった.腹部超音波では膵鉤部に20mm大の低エコー腫瘤を認め,内部に明らかな嚢胞成分や石灰化は認めなかった.腹部造影CTでは暫時的に辺縁より造影される低吸収腫瘤で,周囲への浸潤や膵管拡張は認めなかった.ERPでは膵管非癒合を認めたが,膵管の圧排,狭窄像や偏位は認めなかった.FDG-PETでは高集積を示した.充実性のsolid pseudopapillary tumor(SPT)と診断し膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的にはpseudopapillary patternは目立たず類円形細胞が増殖し均一な組織像であったが,chromogranin A陰性,CD56陰性,synaptophysin陽性,EMA陰性,CD10陽性を示し膵SPTと診断した.膵管癒合不全を伴ったSPTの報告は本症例含め2例のみであり,稀な症例と考えられたため報告する.

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© 2010 日本膵臓学会
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