2016 年 31 巻 6 号 p. 791-798
膵癌取扱い規約(第7版)の主な改訂項目として「腫瘍占居部位の定義」,「T分類」,「N分類」,「Stage分類」,「病理組織学的分類」があげられ,新規項目として「T因子とリンパ節転移の画像診断指針」,「切除可能性分類」「生検・細胞診の指針」,「術前治療後の組織学的評価」が新たに加えられた.膵癌取扱い規約検討委員会では,規約改訂の方向性としてTNM分類や病理分類などは国際標準に整合性をもって国際的に通用するように検討するとともに,T分類における局所進展因子や膵外神経叢など本邦独自の箇所は,その長所を保持しながら改善するべく協議が重ねられた.本規約には,多くのCT画像,病理写真や膵癌登録症例のデータを活用した予後成績も掲載されており,膵臓を専門的に従事する医師や研究者以外にも多くの人々に日常膵癌診療に利用され,膵癌の治療成績の向上に役立つことが望まれる.