2017 年 32 巻 4 号 p. 752-759
症例は40歳代,男性.黄疸を主訴に当科紹介受診.腹部造影CTで膵頭部に造影効果の乏しい36mm大の腫瘤を認めた.ERCPでは膵頭部膵管,胆管に狭窄を認めた.以上より浸潤性膵管癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学検査ではductal cell carcinomaとneuroendocrine tumorが混在するMixed adeno-neuroendocrine carcinoma(MANEC)と診断した.術後化学療法として塩酸ゲムシタビン+S-1療法を行った.術後1年9か月後に多発肝転移を認め,術後2年6か月後に生検を施行した.肝組織の病理組織学検査では,外分泌腫瘍成分を認めず,内分泌腫瘍成分のみを認めた.術後2年10か月後に分子標的薬投与を開始し術後7年3か月現在加療中である.膵MANECは稀な疾患であり,予後や治療法についても確立していない.今回,文献的考察を加え報告する.