2022 年 37 巻 5 号 p. 200-207
本邦初のEBMの手法を用いて作成され,2003年に刊行された『急性膵炎診療ガイドライン』は,その後も常に最新の手法に則って作成されてきた.第5版は全国調査で明らかになった知見を基に2021年に改訂された.早期経腸栄養の促進,予防的抗菌薬の投与不要が強調され,ステップアップ・アプローチの内容がより具体的に記述された.ガイドラインの遵守を願いpancreatitis bundlesも改訂され,bundlesフローチャートも作成され,無料で入手でき診断,重症度判定が可能なモバイルアプリもup dateされた.参考資料は二次元バーコードで閲覧できるようにし,冊子を薄くした.特筆すべき点は,「やさしい解説」を新設し,コメディカルや患者・家族にも理解していただけるようにしたことである.