2023 年 38 巻 4 号 p. 201-208
膵石に対するESWLを併用した内視鏡治療は,その有効性,安全性,低侵襲性から,多くのガイドラインにおいて疼痛を有する症例に対する第一選択の治療法として位置づけられている.膵管内に浮遊する小結石であれば,内視鏡治療のみで治療できるが,多くの場合はESWLに膵管ステント留置や経鼻膵管ドレナージ,膵管口切開,内視鏡的結石除去といった内視鏡治療を適宜組み合わせた治療が行われている.ただし,内視鏡的に膵石を除去する手技の難度は高いため,胆膵内視鏡治療の十分な経験のある術者のもとで行われることが望ましく,長期予後においては手術治療が勝るため,ESWLや内視鏡治療が効果不十分な場合には手術を検討するべきである.