膵臓
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特集 膵NENの診断・治療
膵神経内分泌腫瘍(NEN)診療の現状および今後の展望
伊藤 鉄英高松 悠植田 圭二郎
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2023 年 38 巻 6 号 p. 361-366

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抄録

神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm:NEN)の診断および治療の標準化を目指して,日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS)より2015年に初めて膵・消化管NEN診療ガイドラインが発刊された.その後,WHO分類の改訂,ソマトスタチン受容体シンチグラフィーの登場,分子標的薬やストレプトゾシンおよびソマトスタチンアナログのランレオチドが対象疾患の追加,非機能性膵NENに対する手術適応の再検討など,多くのNENに関する新たな動向があり,2019年に第2版が改訂され発刊された.その後,ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)も登場してきた.NENは希少腫瘍であるとともに,全身臓器に発生して多彩な臨床症状を呈する.NENの診断には最終的に病理分類が重要であり,病理診断に基づいた薬物治療戦略の選択が必要となる.本稿では,膵NEN診療の現状および今後の展望について総説する.

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© 2023 日本膵臓学会
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