我が国の総人口に対する65歳以上人口割合(高齢化率)は29.0%であり「超高齢社会」を迎えている.高齢者の膵疾患に携わる機会も必然的に増加している.高齢者においても,急性膵炎,慢性膵炎,膵癌,自己免疫性膵炎といった膵疾患の発症を認めるが,高齢者と非高齢者では自覚症状の現れ方が異なること,高齢者では基礎疾患や服用薬剤等により検査に制限が加わる可能性が高いことから,各種スクリーニング検査の難しさが指摘されている.その一方,近年の医療技術の進歩により,膵疾患に対する外科的手術や化学療法を含めた治療対象年齢も上昇しており,高齢者に対して安全かつ確実に診断する意義が高まってきている.加齢に伴う膵臓の生理的変化を理解し,各種画像検査の適応を判断した上で,高齢者に対する低侵襲で安全なスクリーニング検査・方法を選択することが,今後の「超高齢化社会」における膵疾患診療において重要であると考える.