膵臓
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症例報告
腹腔鏡下膵体尾部切除後に局所再発し,主膵管内進展,Vater乳頭からの腫瘍脱出を認めた膵神経内分泌腫瘍G3の一例
加藤 宏之浅野 之夫伊東 昌広荒川 敏志村 正博小池 大助越智 隆之河合 永季安岡 宏展東口 貴彦国村 祥樹谷 大輝堀口 和真永田 英俊近藤 ゆか佐藤 美信加藤 悠太郎花井 恒一堀口 明彦浦野 誠
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2024 年 39 巻 1 号 p. 72-78

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抄録

55歳の女性.検診で膵尾部の腫瘍を指摘され,腹腔鏡下膵体尾部切除術が施行された.病理検査の結果,PanNET G3(Ki-67指数>20%)と診断された.術後7ヶ月で胆管拡張と肝機能異常(AST:171U/l,ALT:86U/l)を認めた.腹部造影CTで主膵管内から十二指腸乳頭に充満する腫瘍を認め,上部消化管内視鏡検査では,Vater乳頭から赤色で白苔を有する乳頭状腫瘍の露出を認めたため,残膵全摘出術を施行した.免疫染色ではsynaptophysin,chromogranin Aが陽性で,Ki-67指数は30~40%であり,PanNET G3の再発と診断された.患者は2回目手術から24ヶ月無再発生存中である.

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© 2024 日本膵臓学会
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