2024 年 39 巻 2 号 p. 183-193
症例は71歳,女性.CA19-9高値精査の超音波にて膵腫大を認め,CT,MRCP,EUSにて膵頭部~尾部のほぼ全域に至り,25mmと著明な主膵管拡張を伴う15cm長の膵管内腫瘍を認めた.ERCPでは主乳頭より乳頭状腫瘤露出を認め,生検や膵液細胞診で腺癌が検出された.リンパ節,遠隔転移は指摘されず膵全体癌の診断で膵全摘術施行.病理では拡張した主膵管から分枝膵管内に充実性腫瘍の充満を認め,膵実質への微小浸潤を伴い,膵胆道型IPMC,pTS4(170mm),pT1aN0M0であった.切除断端陰性,術後3年無再発生存中である.膵胆道型IPMNは他の亜型に比し異型は高度,またムチン産生が少なく膵管拡張は軽度のことが多く,主乳頭開大は低頻度と報告されている.一方,本症例は充実性腫瘍の充満により高度主膵管拡張や主乳頭開大を呈し,膵全体に進展し,微小浸潤を伴う膵胆道型IPMCであった.稀な症例と考え報告する.