2024 年 39 巻 4 号 p. 263-269
症例は73歳,男性.T2N0M0 Stage IBの遠位胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術を実施した.術後経過観察目的のCTで残膵に充実成分が出現した.MRIでも同様の所見を認め,血液検査でCA19-9の上昇(773.8U/ml)を確認したことから診断目的にEUSを実施した.膵体部側の12.1mm×7.2mmの低エコー病変に対してEUS-FNAを実施し,膵黄色肉芽腫性炎症性腫瘤と診断された.その後も経過観察を続け,CTで同腫瘤は消失し腫瘍マーカーも改善した.黄色肉芽腫性炎症性腫瘤は胆嚢腫瘍を疑い手術を実施した際に診断される場合がほとんどである.今回,膵癌を疑い実施したEUS-FNAで膵黄色肉芽腫性炎症性腫瘤と診断され,経時的に画像変化を追うことで不要な手術を回避できた症例を経験したため報告する.