2024 年 39 巻 6 号 p. 361-367
症例は79歳,男性.発熱,黄疸を認め当院受診,膵頭部腫瘤と胆管閉塞による急性胆管炎の診断となり入院となった.膵頭部癌の診断となり,減黄処置後に膵頭十二指腸切除が行われた.病理所見では核分裂像を伴う強核異型の腫瘍細胞が充実性に増生し,一部で偽乳頭状構造の形成を認めた.免疫染色検査では,β-cateninの核内陽性像を認め,CD10,vimentinは陽性,Ki-67が80%であり診断はmalignant solid pseudopapillary neoplasm(SPN)となった.術後2ヶ月目に肝内多発転移が出現し,徐々に全身状態の低下を認め3ヶ月目に死亡した.膵SPNは若年女性に好発する低悪性膵腫瘍であり,悪性転化を認めるSPNの報告は稀である.急激な転機を辿っており,非常に悪性度の高い症例と考えられた.