膵臓
Online ISSN : 1881-2805
Print ISSN : 0913-0071
ISSN-L : 0913-0071
症例報告
急激な転帰を辿ったmalignant solid pseudopapillary neoplasmの1例
春名 孝洋松下 晃川野 陽一清水 哲也上田 純志室川 剛廣入江 利幸大野 崇吉森 大悟濱口 暁川島 万平中村 慶春吉田 寛
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 39 巻 6 号 p. 361-367

詳細
抄録

症例は79歳,男性.発熱,黄疸を認め当院受診,膵頭部腫瘤と胆管閉塞による急性胆管炎の診断となり入院となった.膵頭部癌の診断となり,減黄処置後に膵頭十二指腸切除が行われた.病理所見では核分裂像を伴う強核異型の腫瘍細胞が充実性に増生し,一部で偽乳頭状構造の形成を認めた.免疫染色検査では,β-cateninの核内陽性像を認め,CD10,vimentinは陽性,Ki-67が80%であり診断はmalignant solid pseudopapillary neoplasm(SPN)となった.術後2ヶ月目に肝内多発転移が出現し,徐々に全身状態の低下を認め3ヶ月目に死亡した.膵SPNは若年女性に好発する低悪性膵腫瘍であり,悪性転化を認めるSPNの報告は稀である.急激な転機を辿っており,非常に悪性度の高い症例と考えられた.

著者関連情報
© 2024 日本膵臓学会
次の記事
feedback
Top