2024 年 39 巻 6 号 p. 377-381
症例は75歳,男性.耐糖能異常を契機に精査を行い,CTで膵尾部に最大径60mm大の腫瘍性病変を認め,EUS-FNAで未分化癌と診断し左副腎合併切除を伴う膵体尾部脾切除術を施行した.病理検査所見にて病変の一部に類骨形成を認め,また別の一部には腫瘍細胞が腺腔を形成する腺癌の像と,更にその一部に扁平上皮への分化を認め膵未分化癌と診断した.術後はS-1による術後補助化学療法を半年間施行し,7年間無再発生存中である.膵未分化癌は本邦の膵癌登録においては膵癌の1.2%と稀な腫瘍であり,また生存期間の中央値は4.4ヶ月と非常に予後不良な疾患である.術後補助化学療法についての知見も極めて限られる.自験例では左副腎合併切除を伴う膵体尾部脾切除およびS-1による術後補助化学療法により良好な経過を得た.切除可能な膵未分化癌に対し外科的完全切除および術後補助化学療法の組み合わせは有効な可能性があると考えられた.