日本海水学会誌
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EDIシステムの脱塩性能に対するイオン交換体の極性と配置の効果
吉田 章一郎土肥 大輝安東 史人舘岡 大樹貫井 楓南澤 麿優覽金澤 直也渡辺 正
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2009 年 63 巻 2 号 p. 90-95

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抄録
電気再生式脱塩システム(EDI)の高効率化を目的として,イオン交換プロセスにおけるイオン除去効率,イオン選択性,および水の解離促進に対する脱塩室内イオン交換体(イオン交換繊維不織布)の極性と配置の効果を検討した.
7室電気透析セルの脱塩室に陽イオン交換不織布と陰イオン交換不織布を5種類の配置で充填し,脱塩室を循環する電解質水溶液の電気伝導度変化によりイオン除去性能を比較した.イオン交換膜と同じ極性のイオン交換不織布を膜に接するように配置したとき,イオンの除去効率が最も高く,イオンの価数による差は小さく,弱電解質であるメタケイ酸ナトリウムの除去も速かった.また,フェノールフタレインを吸着させたイオン交換不織布の発色により,脱塩室内で,極性の異なるイオン交換不織布が接触する界面で水の解離が観測され,イオン交換不織布の高効率での再生が示唆された.
イオン交換膜の延長でイオン交換体を配置することにより,従来主流であった陽・陰イオン交換体混合物を超える脱塩性能が示された.
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© 2009 日本海水学会
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