抄録
塩試験方法にある塩基性炭酸マグネシウムと炭酸カルシウム中の炭酸イオンの中和滴定法について,試薬および検液の処理条件等を見直した.本法は一定量の酸を加え,過量の酸を水酸化ナトリウム溶液で滴定する.添加する酸は,硫酸が安定しており,脱炭酸のための加温条件は,75~90 ℃で30分とした.また,指示薬はメチルレッド・ブロモクレゾールグリーン混合指示薬を用いた場合,容易に終点の判定が可能であった.本方法により,試薬,食用塩を測定した結果,いずれの炭酸塩においても良好な結果が得られた.塩基性炭酸マグネシウムについては,自動滴定装置へ適用し,効率化が図れることが示唆された.