ミニトマト(Lycopersicon esculentum Mill)及びトマト(Solanum lycopersicum)栽培におけるクラゲ(Aurelia aurita)上澄み液の有用性について検討した.すなわち,ミニトマト及びトマト栽培において,ミズクラゲ上澄み液を定期的に栽培土壌に加えた.対象区には,クラゲ上澄み液の代わりに同量の水を加えた.また,トマト栽培では,比較のために海水処理区も設けた.ミニトマト,トマトを収穫後,果実重量,糖度,アスコルビン酸(AsA)濃度(トマトの場合は酸度)を測定した.その結果,ミニトマトの糖度及びAsA濃度は,クラゲ処理区では,対象区よりそれぞれ13,18 %高かった.ただし,果実重量はクラゲ処理区のミニトマトは,対象区のものより23 %軽かった.また,トマトの糖度及び酸度は,クラゲ処理区では,海水処理区よりそれぞれ16,15 %高かった.ただし,果実重量はクラゲ処理区のミニトマトは,海水処理区のものより19 %軽かった.ミズクラゲ上澄み液は,ミニトマト及びトマトの品質向上に有用であることがわかった.