本研究では,局所的なイオン濃縮場を創成できるマイクロバブルの気-液界面を結晶核化が進行する新規な晶析場として用い,製塩プロセスより排出される脱K苦汁からのドロマイト(CaMg(CO
3)
2)の製造を行った.脱K苦汁へCO
2マイクロバブルの導入により,微細な気-液界面近傍での局所的なCa
2+,Mg
2+およびCO
32-濃度の増加にともなうCaMg(CO
3)
2中のMg/Ca比の増大および微粒化が期待できる.本稿では,CO
2気泡の微細化およびCO
2モル供給速度がCaMg(CO
3)
2の生成速度およびMg/Ca比の増加速度に及ぼす影響を検討した.反応温度が298 K,pHが6.8の条件下で,製塩脱K苦汁に平均気泡径が40 - 2000 μmのCO
2気泡を連続供給し,CaMg(CO
3)
2を反応晶析させた.その際,CO
2モル供給速度を1.49 - 23.8 mmol/(
l·min)の範囲で変化させた.結果として,気泡の微細化およびCO
2モル供給速度の増大は1.0のMg/Ca比を有するCaMg(CO
3)
2微粒子の収率向上に有効であることを明らかにした.
抄録全体を表示