日本海水学会誌
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化学反応を伴うバイポーラー膜電気透析法による純炭酸水の製造に関する基礎的検討
髙橋 博能重 和幸多田 和史藤田 一輝髙橋 佳澄実高尾 怜美
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2018 年 72 巻 2 号 p. 104-108

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抄録

バイポーラー膜及びイオン交換膜から構成される電気透析を用いて純炭酸水を製造する新規手法について研究を行った.電気透析槽はフィード,ストリップおよび電極室から構成され,各室は陽イオン交換膜とバイポーラー膜で仕切られている.各室に炭酸ナトリウム水溶液を満たし電気透析槽に電圧を印加すると,水解によりバイポーラー膜から水素イオンが生成し,さらに炭酸イオンと化学反応をすることで炭酸ガスを生成する.この時,同時にナトリウムイオンが脱塩されることから,炭酸ナトリウム水溶液から純炭酸水が得られる.しかし,実験中,装置内では炭酸ガスの発生はほとんど観測されなかった.このことから,本手法による炭酸ガスの吸収は主にバイポーラー膜内で進行していると推測される.

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© 2018 日本海水学会
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