抄録
以上から次の諸点を要約することができる.
(1) 大型枝条架, 小型枝条架によつて構造指数fの指数を検定した結果0.22乗が妥当である.
(2) 風洞試験, 大型枝条架によつて流下量vωの指数を検定した結果0.20乗にほゞ一致した.
(3) ネツト式, 大型枝条架によつて流下量vωの指数を検定した結果やはり0.20乗にほゞ一致した.
(4) 風洞試験によつて立体式の奥行Bの指数を検定した結果, 立体式の高さ, 長さ, 奥行がそれぞれ異なる立体式から指数を求めるならば奥行の指数はほゞ0.3乗に一致する. 長さ, 高さが等しい立体式から, 奥行のみを変えて検定すれば奥行の指数は-0.35乗となり, 従つて長さLの指数は0.15乗となる. また風速の乱れを考慮すれば奥行の指数は0.50乗となる.
両者の解析において, 奥行の指数の異なる原因としては, 飽差のとり方の不一致, 大気の風速の乱れを考慮に入れなかつたこと, その他の誤差などにより, バラツキが集積されたため0.3乗なる指数となつたものと考えられるので, むしろ-0.35乗の値が妥当である.
風速の乱れを考慮すると奥行の指数も-0.35乗から-0.50乗に変るので, 大気の風速変動域の蒸発諸元公式を求める必要がある