抄録
酢酸セルロースーホルムアミドーアセトン系のLoebの提唱した標準逆浸透膜について, 製膜条件および操作要因と膜持性の関係を調査した. アセトンの蒸発過程は薄い表層の形成に不可欠の因子であるが, 熱処理温度を高くするとその表層の形成状態の差による影響は少なくなることがわかった. 膜性能に対して最も支配的な因子は熱処理温度で, 本試験では約80℃が最適であった.
膜は供給液温度の変佑を受けて, 履歴現象を示すことが明らかになった. これは操作圧力の変化にともなう非復元性の圧密化による履歴現象と類似しているが, 膜の加熱軟化の結果生じる圧密化が原因と推定される. 海水に含有される主なイオンの分離性は, カチオンでは, Mg2+>Ca2+>Na+>K+, アニオンではSO42->CI-のJI頂であった.