抄録
平成17年度発行の小学校理科教科書は,平成15年の学習指導要領の一部改正を受けているが,各学年の「観察・実験」で扱われている動物の種類は,平成14年度発行の教科書に比べ一般に多くなっていた.扱われている動物の多くは身近に見られ,そのほとんどが春に誕生し,秋までに成熟して子孫を残すものであり,春からの観察には適していた.その一方,「オオムラサキ」や「カブトムシ」は,都市では林が少なく自然の中で見付けるのは難しい,「アキアカネ」は盛夏に平地では見られない,「カイコガ」は自然の中では見られない,など注意を要する点も見られた.