日本海水学会誌
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イオン交換膜法かん水組成の規則性
武本 長昭
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1971 年 24 巻 5 号 p. 213-216

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抄録
イオン交換膜法による海水濃縮 (かん水製造) において, 各陽イオンの選択透過率 [Ti; {かん水中のiイオン (N) /かん水中の全陽イオン (N)} / {海水中のiイオン (N) /海水中の全陽イオン (N)}] は, 膜, 装置, 透析条件に関係なくかん水の当量純塩率 [PNa;Na (N) /全陽イオン (N)] とそれぞれ直線関係にあることを明らかにした.したがつてかん水中の陽イオンの組成比 [Pi;iイオン (N) /全陽イオン (N)] は次式で示される.
PMg=-0.8337
PNa+0.8057PCa=-0.1795PNa+0.1797
PK=0.01321PNa+0.01462この規則性は, 選択透過の機構に関する暗示に富み, たとえば膜内でのイオン移動は単にStokesの法則により説明できる可能性がある.なお一般にもちいられている3種のかん水純塩率をそれぞれ当量純塩率 [PNa;上記], 重量純塩率 [PNaCl;NaCl (g/l) /全塩分 (g/l)] および簡易純塩率 [P°; {Cl-(Mg+Ca)} (N) /Cl (N)] と名付けると, 相互の関係はおおむね次式で示される.
PNa=0.989P°-0.015
PNaCl=0.87lP°+0.095
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