日本海水学会誌
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100℃におけるNaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系の相平衡
本山 正夫門田 稔岡 俊平
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1976 年 30 巻 1 号 p. 26-34

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抄録
イオンかん水の蒸発濃縮過程, イオンにがりの処理 工程などの問題を相律的に検討するための基礎資料を得る目的で, 100℃におけるKCl-MgCl2-CaCl2-H2O系, NaCl-MgCl2-CaCl2-H2O系, NaCl-KCl-CaCl2-H2O系, NaCl-KCl-MgCl2-H2O系の各4成分系およびNaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系5成分系の溶解平衡を恒温法で測定した. これらの結果に基づいて, NaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系の100℃の平衡状態図を完成した. 状態図は8つの固相領域, すなわちNaCl, KCl, carnallite (KCl・MgCl2・6H2O), tachhydrite (CaCl2・2MgCl2・12H2O), baeumlerite (CaCl2・KCl), CaCl2・2H2O, 2CaCl2・MgCl2・6H2OおよびMgCl2・6H2Oからなり, NaClとKClの2領域で状態図の大部分を占め, 他の領域は非常に小さく, KCl-MgCl2-CaCl2-H2O面に沿って薄い層をなしている.
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