日本海水学会誌
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電量検出液体クロマトグラフィーによる海水中のウランの定量
前小屋 千秋高田 芳矩
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1980 年 33 巻 6 号 p. 337-342

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抄録

海水ウランの電量検出イオン交換クロマトグラフィーによる定量方法を検討した.
溶離液に亜硫酸ナトリウムを添加すると溶存酸素による暗電流を低下でき, ウランの高感度検出が可能になる. ウランと似た挙動を示すバナジウムの分離には溶離液に炭酸ナトリウム (0.12mol/l) /炭酸水素ナトリウム (0.08mol/l) /亜硫酸水素ナトリウム (0.03mol/l) /塩化ナトリウム (0.50mol/l) の混合溶液を用いると良く, 電量検出器の作用電極への印加電圧は-1.45Vvs. フェリシアンフェロシアンが適することがわかった. 海水1lにっき塩酸10mlおよびチォシアン酸カリウム20gを混合し, その後濃縮用ミニカラムに通してウランを分析した結果, 分析値3.0μg/l, 分析精度は変動係数で4% (n=5), また, 分析時間は濃縮に約1時間, 測定に30分間の合計1.5時間であった.

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