日本海水学会誌
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スペーサーの両側に空隙のある電気透析装置の限界電流密度
三好 浩文福元 次夫片岡 健
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1982 年 36 巻 3 号 p. 149-153

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抄録

イオン交換室の枠の厚さがスペーサーの厚さよりも大きいためにできるイオン交換膜とスペーサーの間の空隙が, 電気透析装置の限界電流密度にどのように影響するかを検討するため, イオン交換膜とスペーサーの間の空隙およびスペーサーの種類を種々に変えて限界電流密度を測定した. この結果, イオン交換膜とスペーサーの間に空隙のある電気透析装置の限界電流密度は, イオン交換室をスペーサーで満たした場合の限界電流密度より減少することがわかった.
電気透析装置のイオン交換室をスペーサーで満たした場合, イオン交換室にスペーサーがない場合, あるいはスペーサーの両側に空隙がある場合の限界電流密度の関係式としてEq. (7) を提出したが, この式は, 限界電流密度の測定結果とよく一致した. すなわち, スペーサーのある電気透析装置の限界電流密度は, イオン交換膜とスペーサーの間の空隙の大きさおよびスペーサーの種類にかかわらず, Eq. (7) あるいはEq. (8) の関係式で表示できることが判明した.

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