日本海水学会誌
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チタン酸・コージライト複合吸着剤の研究
山崎 恒博
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1984 年 38 巻 2 号 p. 116-122

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抄録

(1) チタン酸・コージライト複合吸着剤を尿素法により含浸調製する方法およびその海水ウラン吸着量および物性値との関係などを検討した.吸着能にすぐれた吸着剤を調製するには, コージライト担体内にチタン酸を析出固着させるときの母液のpHを8付近にし, チタン酸当りの比表面積を400m2/g以上, 好ましくは700m2/g以上になるように担持させることが重要である.そのためには, あらかじめpHと尿素添加量との関係を求めておくことおよび含浸液中のチタン濃度を1~2g/lにすることが必要である.
(2) 粒子状吸着剤の簡易方式によるウラン吸着量は, コージライト担体として比表面積2m2/g, 粒径0.35~0.42mmのものを用いた場合, 40~50μg/g・2日と測定されたが, 比表面積8m2/gのものを用いた場合には, その飽和吸着量が約600μg/gになる可能性のあることを示した.
(3) この粒子状吸着剤は, 流動方式の吸着装置を利用するものに適しており, その適用例として海流搬送方式の吸着装置を示した.

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