日本海水学会誌
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海流利用型海水ウラン吸着採取システムの開発
平井 達雄坂田 則彦山田 通政辻谷 潤一岡崎 守男田門 肇
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1988 年 42 巻 1 号 p. 7-14

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抄録
海流利用型海水ウラン吸着装置を開発し, 大水深域に設置される海洋構造物に要求される諸性能と吸着剤の回収と充填の方法に考察を加え, 装置設計を行った.本装置に対して導かれたコスト推定式を用いて装置の安定性および建造面での制約条件を満たす最適装置形状を求めた.最適装置形状を用いれば装置コストは3割低減されることがわかった.さらに吸着剤の輸送システムに関して検討を加えたところ, 母船方式を採用すれば, 輸送コストは5,000円/トン-吸着剤まで低減される知見が得られた.
吸着装置と収着剤輸送システムに関する検討より, 海水ウラン採取コストは既報6)で推定した19万円/kg-Uから14万円/kg-Uに低減できる可能性があることが明らかと塗った.さらに大幅なコストダウンのためには吸着剤の性能を向上させる必要があると思われる.
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