日本海水学会誌
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反射式赤外線水分計による各種塩水分の連続測定
食塩の物性に関する研究 (第3報)
篠原 富男瀬戸山 伸日古尾方 昇
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1989 年 43 巻 1 号 p. 39-47

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抄録
非接触, 連続水分測定可能な工業用の反射式赤外線水分計SAM-2を並塩, 食塩など各種塩の水分測定に適用した場合について系統的に検討を行い, さらに製塩工場の実工程に適用した結果, 以下のことが明らかとなった.
1) 水分が一定の場合, 出力値はセンサーと塩層との測定距離, 塩層との角度, 塩層厚と関係があり, それぞれの範囲内で一定となった.
2) 各種塩の場合, 水分-SAM-2出力は2次曲線を用いて処理すると精度が良好であった.
3) 粒径, 形状が異なる場合は別の検量線を作成する必要がある.
4) にがり中のカルシウム, マグネシウムなどの成分は並塩, 食塩程度の濃度レベルでは出力にまったく影響しなかった.
5) 製塩3社の並塩, 食塩製品を測定した結果, 水分-出力値との間には良好な関係が得られた.
6) 実工程試験においては, SAM-2と加熱法の両測定方法に対する差の標準偏差 (σ) は, 並塩の場合σ=0.0484 (%), 食塩の場合σ=0.0123 (%) であった.
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