日本海水学会誌
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米国と日本の製塩工場における運転方法の比較
吉川 直人橋本 壽夫
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1991 年 45 巻 6 号 p. 353-359

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抄録
A工場の運転状態について解析を行い, 製塩フローシートを作成し, 国内製塩工場と設備, かん水・苦汁組成, 各種係数, 原単位, せんごうエネルギー費の比較を行った結果, 以下のことが明らかとなった.
1) A工場ではスチームドレン廃熱をフラッシュタンクで利用しているのに対し, 国内製塩工場では給液予熱に利用している.
2) A工場では製品の脱水, 乾燥をオリバー型フィルターだけで行っているのに対し, 国内製塩工場では遠心分離機, 流動乾燥機を用いて行っている.
3) せんごう工程の運転操作は, 採かん方法, かん水精製の程度でかん水組成が異なることから, その組成に応じた基準で管理されている.
4) A工場では母液中の不純物をあまり濃縮せず, 一般用塩を生産している. 一方, B工場では精製かん水を用いて, A工揚と同様の純度の製品を精製塩として生産している.
5) せんごうエネルギー費を比較すると, 安い順にB工場, A工場, 国内4効工場となるが, 効用数, かん水濃度の影響を大きく受ける.
6) せんごうエネルギー費を効用数, かん水濃度で補正すると, 安い順に国内4効工場, A工場, B工場の順となるが, ほとんど差はない.
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