1998 年 52 巻 1 号 p. 28-33
400m2の有効加熱面積を有する工業晶析装置に, 3つの説明変数; 熱源蒸気流量, 結晶懸濁密度および循環ポンプ回転周波数; から構成したニューラルネットワークモデルを適用し, 製品結晶粒径のコントロール手法を検討した. Leave-one-out Cross Validation法におけるニューラルネットモデルの最適学習回数は50,000回で, 製品結晶粒径の平均推定誤差は約30μmであった. この結果よりニューラルネットワークモデルは, 実用上十分な精度を有しており, 工業晶析において所望粒径の製品結晶を生産する操作条件の設計に有効であると考え, 実用的なモデルの構築プロセスを提案した. 最後に本実験の実施にあたり, 多大なご協力を頂きました塚本孝臣, 山田文彦両氏をはじめ, ダイヤソルト (株) 崎戸事業所の皆様に, 厚く御礼申し上げます.