現在, リチウムイオン電池などの原料として炭酸リチウムに対する需要は大きい. 本研究では海水から得られるリチウム濃縮液と工場の排ガス中に含まれる二酸化炭素より炭酸リチウムを生成させる反応晶析についての基礎研究を行った. 反応晶析にはMSMPR型晶析装置を用い, 原料である水酸化リチウム初濃度, 反応温度, 撹拌回転数などの操作因子が炭酸リチウムの核発生速度, 結晶成長速度, 懸濁密度, 平均粒径などの晶析特性に及ぼす影響について検討した. 本実験範囲においては, 原料初濃度, 反応温度を増大させ, 撹拌回転数を減少させると核発生速度は増加した. また結晶成長速度は, 撹拌回転数を減少, 反応温度を増大させることで若干増加した. 懸濁密度は核発生速度と同様の操作因子で, また平均粒径は結晶成長速度と同様の操作因子で増加させることができた.