日本海水学会誌
Online ISSN : 2185-9213
Print ISSN : 0369-4550
ISSN-L : 0369-4550
マヨネーズ様水中油滴型エマルションの呈味性に及ぼす市販食用塩の影響
大橋 きょう子島田 淳子
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 60 巻 1 号 p. 55-61

詳細
抄録
トリアシルグリセロールおよびジアシルグリセロールで調製したマヨネーズ様エマルションの呈味性に及ぼす種々の塩類 (NaCl, KCl, CaCl2, MgCl2, MgSO4) の影響を調べた. 市販食用塩6種を用い, 0.8% (w/v) 水溶液および, これらの塩を0.8%と2.0%含んだエマルションの感覚評価を行った. すべての市販塩水溶液の塩味強度は, NaCl水溶液のそれに比べて有意に弱かった. 一方, それぞれの市販塩を加えた0.8%および2.0%いずれの濃度においても市販塩で調製したエマルションは, そのような違いを示さなかった. KClを57.2%含む市販塩B水溶液の苦味の強さは, NaClに比べて有意に強く, 市販塩Bを0.8%含むエマルションもまた同様に苦味が強かった. しかし, 2.0%添加においてエマルションは苦味に有意な差は無かった. 市販塩B水溶液およびエマルションの味の好ましさは, NaCl試料に比べて低かったが, 他の市販塩のではこのような違いは無かった. NaCl以外の塩類を用いることは, マヨネーズのような粘度のある食品の呈味性には影響を及ぼさないと結論した.
著者関連情報
© 日本海水学会
前の記事
feedback
Top