抄録
苦汁成分が異なる塩で味噌を製造し, 味噌の成分, 微生物測定を行い, さらに味の違いについて官能評価を行った. その結果, 塩の種類により, 味噌のpH, 色アミノ酸およびグルコース量が異なったが, 微生物挙動に差は見られなかった. 官能評価は, 味噌汁の塩味, 香り, 美味しさの強さは, 苦汁成分の多い塩で評価が低かったが, 味噌汁の香り, 色, 味の好みは, いずれも差は見られなかった. よって, 塩の種類により幾つかの成分量が異なるが, 味噌汁の好みにおよぼす影響は僅かであることが示唆された.