抄録
磁気テープシステムは、安価、大容量という特徴からアーカイブ、バックアップ用途に広く使用されている。他のストレージ媒体同様に持続的な高容量化という市場ニーズに応える為、高記録密度化の研究が進められてきた。従来、メタル磁性体を用いたテープにより高密度化が進められてきたが2000年代後半に減速し始めた。しかし2011年、ポストメタル磁性体としてバリウムフェライト磁性体を採用したテープを市場導入し、高密度化の再加速に成功した。この論文は、近年の磁気テープシステムの大きな技術革新の一つであるバリウムフェライトテープの基礎研究から市場導入までの道のりについて報告する。