抄録
マラリアの制圧のためには、正確・高感度・迅速かつ易操作な診断方法の開発が必須である。我々はこれらを可能にし得るマイクロチップ技術を応用したデバイスを開発し、実際にマラリア流行地でその有用性を示すことができた。マラリア原虫を検出するためのマイクロチップ(細胞チップと呼ぶ)には約2万個のマイクロチャンバーが並ぶ。患者の血液から白血球を除去後、細胞チップ上で静置することで、200万個以上の赤血球がマイクロチャンバー内で単層に並び、蛍光核酸染色試薬および蛍光検出機を用いることで、マラリア原虫の高感度検出および感染率の算出が短時間で可能になった。