2021 年 13 巻 3 号 p. 200-204
現代,高齢化が進む社会で,私たちは,長期に歯を守り,より快適に機能していく治療が求められるなか,欠損歯列をどのような見方で捉え,より良く維持していくのか,問い直される時期に来ているように思われる.
患者は,よく噛めて,違和感の少ない補綴を希望することが多い.しかし,要望に沿えた補綴であれば,予後は良好に経過するのだろうか?欠損歯列の診断や補綴形態の選択については,患者の声に耳を傾けながらも術者主導であるべきで,インプラントの適用についても,欠損歯列の性質を考えたうえで,残存歯が長期に維持できることを目標としたい. 個々の欠損の流れに対応しながら,どのような補綴のあり方を提供するべきなのか,考えてみたい.