日本消化器内視鏡学会雑誌
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経験
ステンレス鋼を用いたMagnetic anchor-guided ESDの検討
岩田 悠嗣 松崎 一平泉 千明山内 浩揮五藤 直也横井 太紀雄服部 昌志
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2021 年 63 巻 1 号 p. 61-67

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抄録

早期消化管癌に対するESDにおいて,さまざまなトラクションデバイスが開発されている.ネオジム磁石を用いたMagnetic anchor-guided ESDの有用性をわれわれは報告してきたが,体内磁石のデリバリーや内視鏡と内部磁石の干渉が課題であった.今回鉗子孔を通過可能な形状にしたステンレス鋼を用いて胃16例,大腸17例でMagnetic anchor-guided ESDの有用性を検討した.胃は切除時間中央値90(27-205)分で,すべての症例において良好なトラクションが得られた.大腸は切除時間中央値90(18-259)分で,15例(88%)で良好なトラクションを得ることができた.全例で一括切除され,有害事象は認めなかった.ステンレス鋼を用いたMagnetic anchor-guided ESDは,任意の方向と力で良好なトラクションが得られる理想的な手技である.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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