抄録
産総研で確立した微量水分の国家標準をもとにして、ガス中の微量水分測定の信頼性が近年になって飛躍的に向上した。その結果、従来の微量水分測定法の問題点が明らかになった。本稿では、微量水分測定の信頼性向上を目標に産総研が策定したシナリオ、世界的にも独自の方法による我が国の微量水分国家標準の開発、国家標準を産業現場につなぐ計量トレーサビリティ体系の整備、そして国家標準との比較測定によって明らかとなってきた市販計測器の課題を述べる。微量水分測定の信頼性の飛躍的向上により、産業現場で使われる高純度ガスの適確な評価が可能になった。