2010 年 3 巻 1 号 p. 66-76
“社会のための科学”が叫ばれて久しいが、そのような研究開発をどのように評価すればよいのであろうか。本稿では、研究開発評価のそもそもの考え方に立ち戻って概念整理することで、“社会のための科学”研究に有効な評価とは何かについて分かりやすく解説することを試みた。そのポイントは、評価はそれ単独では意味をなさず、研究開発を通じて実現させたいことへの道筋(戦略)と一体となって初めて機能すること、そして評価の役割は、戦略をより良く実行していくために実態をつまびらかにすること、などである。