抄録
長期埋め込み人工心臓の前に4週間以内のつなぎに使用できる、補助循環遠心ポンプを製品化することに成功した。独自の軸受として採用した1点支持型のモノピボット軸受は、世界に先駆けて提唱した機構である。医工連携として大学医学部と意見交換をする中から、動物実験前の設計検証のために提唱した流れの可視化実験で血液適合性を定量的に評価・改良し、独自に開発した模擬血栓試験で抗血栓性を評価・改良し、最小限の動物実験数で生体適合性の評価を実施できた。技術シーズを提供して一つの製品を世に出したばかりでなく、その評価技術を他機関の製品化にも提供し、さらに医療機器ガイドライン事業にも協力して広く産業界に貢献している。