抄録
近年の非在来型天然ガス資源開発の拡大に伴い、コジェネレーション等に用いられる天然ガスエンジンが注目されている。その導入普及の促進のためにはさらなる熱効率の向上が重要であり、そのためには過給を組み合わせた燃焼の希薄化が必須である。しかし、従来から用いられているスパークプラグでは、この高圧で希薄な予混合気への着火は困難になりつつある。その様な状況のなか、産総研においてこれまで取り組まれてきた代替着火技術としてのレーザー着火研究を紹介する。レーザー着火によるガスエンジンの希薄安定動作限界の拡大、過給下での安定着火、並びに多点レーザー着火による熱効率の向上の実証研究について解説し、レーザー着火技術の今後の可能性も含めて論じる。