抄録
ナノテクノロジーとエネルギー技術の分野融合を図り、ナノ結晶電極をベースとした大容量・高出力型リチウム二次電池の研究開発を行った。また、基礎研究成果を迅速に実用化に結びつけるため垂直連携型の産学官プロジェクトを実施した。この産学官連携では大学、産総研、電池メーカーと自動車メーカーの川上から川下に至る4 つの参画機関による垂直連携型のプロジェクトにより大学・産総研の革新的成果の最短距離での実用化を目指すことができた。電池メーカーの協力を得て、ナノ結晶活物質を用いた高出力(3 kW/kg )・大容量型(30 Wh/kg)の高性能リチウム二次電池が試作できた。異分野融合と産学官垂直連携の組み合わせはイノベーションの“短距離化”を実践する有効な研究開発プロセスである。