材料を専門とする研究者と選別装置を専門とする研究者の連携によって、廃蛍光体から重レアアースのテルビウムを含む緑色蛍光体の、材料リサイクルを可能にする選別システムを実用化した。市中に出回った廃製品を元に、水平リサイクルよりさらに内側のループで、金属としてではなく、より高価な高機能材料の原料として金属循環を確立した例は、世界的にもほとんどない。これは欧州が推進する循環経済(Circular Economy:CE)/資源効率(Resource Efficiency:RE)を基軸にした政策などでも、近未来の理想的循環と称されるリサイクルシステムである。今後、さまざまな廃製品の資源循環を確立し、我が国が都市鉱山開発で世界をリードする上で、近未来型資源循環の先駆けとなる成功例である。