抄録
次世代のエレクトロニクスデバイス製造技術において、多品種、小ロット生産および低コストかつ大面積化に対応できるフレキシブルな製造技術が求められている。この研究では、配線工程における高スループット化とファイン化を目指して、レーザー援用インクジェット技術を開発した。配線の微細化を実現するに当たり、外部からレーザーを照射して液滴を乾燥させ、基板上でのインクの濡れ広がりを抑制するという新たな着想に基づいて、これまでは困難であった高スループット化とファイン化を同時に実現し、配線幅10 μm以下でアスペクト比1以上の微細配線描画に成功した。この論文では、レーザー援用インクジェット技術開発に至る、ニーズに基づく技術開発課題設定、それを克服するための過程等、研究開発の流れと展開について報告する。