抄録
Al4SiC4のMgO-Cれんがへの添加効果とその挙動について検討を行い,以下の結果を得た。
(1)Al4SiC4を添加したMgO-Cれんがは1000℃より高温側で重量と強度が徐々に増大し,気孔率が低下する。
(2)Al4SiC4はCOガスと反応して1000℃より高温側でSpinel(MgAl2O4),SiCを生成し,SiCは1200℃より高温でCO
ガスと反応してForsterite(Mg2SiO4)を生成する。これらの反応は重量増加,体積増大を伴い,組織の緻密化
をもたらす。
(3)この反応過程ではAl4C3やAlNが生成しないため,れんがは高い耐水和性を有する。
(4)高温下では組織中にAl(g),SiO(g)およびMg(g)が発生し,これらが拡散しながら凝縮して気孔を充填し,組
織を効率良く緻密化することが推定される。