抄録
円柱状気孔と連通孔を有するセラミックス多孔体を,CO2ガスを含む水系スラリーの一方向凝固,凍結乾燥および焼結のプロセスにより作製した。円柱状気孔は減圧下での凝固により形成され,セラミックス粉末と氷からなる多孔体が得られる。凝固過程の偏析により,複合組織が形成されるため,氷の相は連続的な構造となる。氷の相を凍結乾燥により除去し,円柱状気孔と連通孔を合わせ持つ乾燥体を作製し,1250℃で 5 時間焼結させることによりセラミックス多孔体を得た。円柱状気孔の気孔径と気孔率は,凝固時の圧力および焼結温度と時間で制御することができる。